MAI|ポリファーマシー解決法
ポリファーマシーとは、明確な基準はありませんが、「必要以上に薬をのんでいる状態」をさします。近年、ポリファーマシーによる有害事象や飲み間違いなどが社会的な問題となっています。このポリファーマシーを解消するために、「MAI(Medication Appropriateness Index)」が用いられます。
MAI(Medication Appropriateness Index)
MAIは、1992年に米国デューク大学病院で開発された「不適切な処方をスクリーニングする方法」です。次の10項目について3段階(※)でスコアを評価します。あらゆる年齢、あらゆる薬剤に適用することができます。[J Clin Epidemiol. 1992 Oct;45(10):1045-51. PMID: 1474400]
※3段階:「適切=0点」「わずかに適切=0点」「不適切=1〜3点(項目ごとに重みづけ)」最終的に18点満点で評価。
- 薬の適用はありますか
- その病態に薬物療法が効果的ですか
- 用量は正しいですか
- 指示は正しいですか
- 指示は実用的ですか
- 臨床的に重要な薬物間相互作用はありませんか
- 臨床的に有意な薬物・疾患/病態相互作用はありませんか
- 他の薬剤との不必要な重複はありませんか
- 治療期間は許容できますか
- この薬は他の同効薬と比べて安価ですか
出典:A method for assessing drug therapy appropriateness Joseph T.Hanlon, et al
出典:Clinical pharmacist evaluation of medication inappropriateness in the emergency department of a teaching hospital in Malta
MAIは、Beersクライテリアよりも検出力に優れると考えられています。しかし、MAIを低下させることで、入院や総死亡を減らすなどの臨床アウトカムについては不明です。