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心室への負荷とその病態

高血圧では、心臓に対して「圧による負荷」と「血液量による負荷」が強く起こります。「圧による負荷」は、高血圧だけでなく、大動脈弁狭窄(心臓から出にくい)、肺性心などによって起こります。心臓が血液を拍出する際、心筋にかかる負荷が過剰となります。中でも高血圧は、心臓に対して常に(血管抵抗の)負荷がかかり、心不全最大の原因となります。

 

高血圧による心肥大と心拡大

典:心不全と向き合うコツ

 

高血圧に対抗して(無治療のまま)血液を送り出していると、左心室壁の心筋がトレーニングされ肥大し(心肥大)、左心室の拡張機能が悪化します。その状態が続くと、心臓は徐々に弱り(左心室の収縮も悪化し)、心室が拡がっていきます。(心拡大)

 

この場合、主に左心室に負担がかかり、一般的に左心室不全になります。左心室不全では拍出力が弱く、血液の停滞が肺にまでおよびます。そして、肺のうっ血、心臓喘息の症状をきたし呼吸困難、起座呼吸、喘鳴、チアノーゼなどが現れます。これらは心不全の最も多い症状といわれます。

 

 

心臓弁膜症
心臓には血液の逆流を防ぐために、4つの弁があります。この弁への炎症や外傷などが原因で、心臓弁膜症が起こります。心臓弁膜症では、弁の開放や閉鎖がうまく行われなくなります。そして、血流が妨げられたり、心臓や肺にさまざまな支障をきたします。弁は極めて薄い膜ですが、心臓のポンプ機能は、この薄い筋肉膜で支えられています。

 

大動脈弁の狭窄と閉鎖不全

資料:心不全と向き合うコツ

 

弁の肥厚、線維化、石灰化、癒着などによって、弁は十分に開放できなくなります。そして、血液の流れが障害され、血液の停滞やうっ血を生じます。

 

僧房弁狭窄症:左心房から左心室への血液の流れが停滞し、左心房から肺静脈に圧がかかります。そして、肺にうっ血がおこり、呼吸困難になります。また、左心室からの拍出量も減少します。

 

大動脈弁狭窄症:収縮期に左心室の血液が十分に拍出されない状態です。左心室に血液が残り、左心室への負荷が起こります。また、大動脈への拍出量が減少し、大動脈圧の低下につながり血液の循環が悪化します。

 

閉鎖不全
弁膜が攣縮(けいれん性の収縮)、癒着して完全に閉じなくなります。そして、収縮期に一部の血液が逆流する状態がおこります。

 

僧房弁閉鎖不全症:収縮期に左心室の血液の一部が左心房に逆流し、拍出量が減ります。

 

大動脈弁閉鎖不全症:一旦、心臓から大動脈へ押し出された血液が拡張期に左心室に逆流します。血液が全身に送り出されず、心臓に残った状態になります。左心室の仕事量は著しく増え、左心室の肥大や心筋の虚血状態をきたします。そして、拍出量の減少や大動脈圧の低下につながり、起立性低血圧の症状を起こします。

 

肺性心
肺の実質、肺の血管の障害などによって、肺高血圧症(肺での血流が悪くなる)を起こします。そして、右心室に負担をかけ、右心室のポンプ機能が弱ってきます。肺を通過する血液が減少し、その影響で左心室から拍出される量も減ってきます。

 

肺性心の最大の誘因は慢性閉塞性肺疾患(COPD)であり、それに伴う血液ガス(酸素、二酸化炭素)の異常と肺高血圧症が原因となります。低酸素血は最も肺動脈を収縮させるので、血液中の酸素の欠乏は、肺血管の攣縮を起こすこともあります。そして、肺動脈の抵抗が増え、肺高血圧症をきたします。

 

続いて、心不全と合併症|心臓と心不全

 

 

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