不整脈のまとめ
不整脈は意外と多くの人に起こっています。不整脈すなわち病気と考えるのは間違いです。しかし、不整脈が突然死につながることもあるなど、幅広く難しい分野です。
近年、薬物療法(アミオダロンの使用)、植え込み型除細動器が一般に使用されるようになりました。そして突然死を予防するなど、不整脈の治療は大きく変化しています。
また、不整脈は精神的な面に影響されるという側面があります。発作性心房細動の約4割が、準神経症・神経症の分類に入る(精神的な原因による)といわれています。そして、種々の背景を改善しても(不整脈が)改善しない場合、薬を使用します。
不整脈の薬を使用する場合、合併症や心機能の具合によって、使用すべき薬が大きく変わります。薬によっては、催不整脈(不整脈を引き起こす)作用があります。また、高齢者では腎機能や肝機能に注意が必要です。
使用する薬については、少なくとも以下の5点を考え理解する必要があります。
- 薬がどのチャネルに関係するのか
- 薬の阻害作用はどの程度か(強いのか、弱いのか)
- 身体へ蓄積するのか、しないのか
- 薬による催不整脈作用はあるのか
- 薬によって心機能が弱ることはないか
心臓は微細な仕組みで動いています。この仕組みを理解しておけば、「不整脈は誰にでも起こる」可能性があると理解できるはずです。ある医師は次のように話します。
「心臓の細胞は、私たちが思うほどきちんと規則正しく動いているのではなく、間違いを起こすこともある。30歳くらいになれば、みんな不整脈があると思っています。」
また、山下武志先生は、書の最後で次のように話しておられます。
「患者の詳細な把握こそが、効率的な不整脈治療の糸口である。そのために心臓電気生理学を生かそう。画一的な治療法にはないすばらしさがそこにある。」
ちょっと心臓の動きがおかしいからといって、不整脈の薬を飲んではいけません。